遠州ナビ★山ちゃん(山下隆宏)と話そう★

…前編からの続き…

その時、中から声が聞こえた…。
「あ〜、待ってたよ。さっ、こっち座って」


張り詰めた空気をなだめるような優しい声。
太田所長その人だった。

肌着姿にスラックスという気さくなスタイルが板に付いた初老の男性…。
そんな格好のことなど、お構いなしと言わんばかりに話が始まった。


「…静岡新聞に『東海地震説に間違い』って記事が…」
「…でもその教授が『誤報だ』って抗議して…」
「…安政の大地震から…」
「…大平洋沿岸に震度を観測してるのに舞鶴沖なんかに震源地が…」
「…断層が動いたって言ったって、日本はもともと火山列島…」
は…速い、速い！話の流れに理解が追い付かない！！
ソファーの上に資料を広げ、速射砲のように話しまくる所長。

たまらず、私は声をあげた。「話が速くて、理解しきれません。。。」

その瞬間、所長はハッと気付いた。
「あぁ、ゴメン」とペースを落とし、それからは１つ１つ説明してくれた。

○所長の立場は「地震は地球の噴火活動の産物」と捉えている。
○地震は１週間〜３ヶ月前に予測可能
○その予測法は「正三角形計測予測法（特許出願中）」
　そのメカニズムとは…
　地球内部のマグマが地表へ出よう出ようとしている。
　地表までマグマが噴出すれば噴火。
　噴火に至らなくても地震はその活動に伴うものである。

　マグマの動きには前兆がある。
　それが海底だったら海水温が上昇する。
　噴出する熱により、その海域から水蒸気が沸き雲になる。

　地表でも地中の空気の気圧がマグマの熱で膨張し、地表へ吹き出す。
　放出された地中の空気が大気に触れて冷却され、やはり雲になる。

　なにしろ、噴火活動の影響で雲が発生する。
　この雲は他の雲とは違いがある。
　　気象衛星で雲の動きを時間別に観測すると
　　突然、直線の雲が発生するのだ！

　この直線の雲の長さ・幅・位置などから
　地震の来る時期、マグニチュード、震源地が予測できるらしい。

　


　この予測法を実証するため、日々所長は空と天気予報を睨んでいる、とのこと。
もし不穏な雲が発生したら、遠ナビ事務所にすぐ連絡をくれるそう。
そのときはこのブログに告知します。

火山列島・日本。
その名の通り日本には火山帯が縦に横に連なっている。
今まで聞いてきた「プレートが動いて」という説は
地球規模で考えると極めて表面的なもの。
断層を避けていようが、下からマグマに突き上げられたら
直下型地震は起こるであろう。
もはや、日本に安全地帯はないのではないか？
そんな地震大国に、原子力発電は危険すぎる…。

中越沖地震の爪痕が報道されている今、
そんな思いを胸に、研究所を後にした。
　　　
　　　　完
遠州ナビの内藤でした。